不動産関連ファンド

以前J-REITに関して少しまとめたが、今回は非上場のファンドに関して。

 

大和みずほといった大手金融機関が私募での不動産ファンドの運用額を増やしてきた。三菱UFJ信託銀行のレポートによると私募リートの資産総額は2010年頃はほぼゼロだったのが、2019年には3兆円を超える(エクイティ部分は約2兆円か)。投資家は年金が20%、中央金融法人が27%、地域金融機関が37%とのこと。(私募リートと私募ファンドの違いはここでは一旦無視する。上の3兆円とは別に私募ファンドが運用されているが、私募ファンドに関しては性格なデータが無い模様)

 

私募リート・私募ファンドは、2012年以降の低金利環境下でインカムを稼げる投資対象として人気を博してきた。しかも、ファンドの決算期ごと(私募リートの場合多くは半年ごと)にしか時価の洗い替えをしないし、その評価も取引価格ではなく鑑定評価による。なので、Jリートと比較して短期的な影響は少ないとされる。

 

さて、昨今のコロナ禍の影響はどうかというと、まだデータとしては見えてこない状況だ。リーマン・ショックの際の影響を見ると2008年以降インカムは比較的安定的に推移した一方、キャピタルのやられは2年以上かけてゆっくり減少していった。トータルリターンでも2010年まで約2年程度マイナスの状況が続いた。まず、ホテル系が大きくやられているのは想像に難くなく、観光客がここから以前の水準に戻るかというとすぐには難しいだろう。オフィスも企業が今後テレワークをどの程度本気で推進していくのかにもよる。ここは緊急事態宣言が開けた6月以降の企業の方針を確認する必要がある。